日々是雑感

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CarryMEがやってきた

ちょっと前の話になりますが、昨年夏にCarryMEを買いました。自転車好きなら「ああ、あれね」という、アノ極小径車、ある意味キワモノのアレです。 

当初、ブルジョアな自転車友達をけしかけて買わせるに至ったものの、話を聞いていて自分も欲しくなるという「ミイラ捕りがミイラに」の典型です。

見た目になんていうかオモチャ、しかし予想を裏切りこれがよく走り、いじれる楽しいちゃんとした自転車でした。ネット上には情報が散らばっており、それらを参考にさせてもらいながら遊んでいます。 

ただ、まとまった情報がなかなか。あっても古くて今のモデルに合わないことも。折角、いろいろ苦労もしたので、CarryMEに興味がある人・CarryMEともっと遊びたい人のために、これから少しずつまとめようかと思います。

まずはここから。

  1. CarryMEって何?
  2. ざっくり言うと
  3. もうちょっと詳しく
  4. なぜ、CarryME?

 

CarryMEって何?

2006 年に台湾のPacific Cycle社がリリースした折り畳み小径車。*1 *2

 

CarryME | Pacific Cycles Japan

 

Pacific社のイメージビデオ。

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元々は、日本の車椅子メーカーが「車椅子と一緒に自動車に積んで運び、車椅子と一緒に走れる自転車」をPacific社に依頼したことから始まったとか。*3

 

ざっくり言うと

  • ホイールがすごく小さい
  • 折り畳みが手早くできて超簡単
  • 場所を取らず、持ち運び簡単、転がすだけ
  • すごくよく走る、ママチャリなら抜ける
  • カスタムし放題 

 

もうちょっと詳しく

タイヤ径

なんと 8 インチ、小径車としてもかなり小さく、極小径車とも言われる所以。(これより小さい径のまともな自転車は、A-bikeの 6 インチくらいか。)

 

折り畳み機能

折り畳み方法が実に簡単で力も要らず。慣れてしまえば 1分少々もあれば、折り畳むことも、折り畳んだ状態から元に戻す(展開する)ことも出来てしまう。こんな感じで。

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 ポータビリティ

車椅子と一緒に自動車に収納しようというコンセプトからスタートしているので、車のトランクには楽々イン。

また、折り畳んだ状態で立てると A4 用紙の範囲に収まる。高さは 1 m 程なので、大きめのスーツケースよりもはるかに嵩張らない。昨今の巨大ベビーカーより細身。

移動の際には、ホイールとキャスターを使用してコロコロと転がせる。2014年以降のモデルであれば、ハンドルグリップを握って本体を引くことも容易。階段等、転がせない場所は持ち上げて運ぶとしても、重さはカタログ値で 8.4 kg *4 で、女性でもなんとかイケる。

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自転車としての基本性能

こんな形だけど、決してキワモノではない。ロングセラーである証左に、自転車としての基本性能も実によくできてる。

フレーム本体を折って畳むものではないので、これだけ小さいのに、フレーム強度は確保されている。つまり、硬い。

ジオメトリも相当に考慮されており、車体サイズゆえにホイールベースも小さいけども、実際に走るとフレームやホイールのサイズから受ける印象よりはずっと安定してる。

日本で発売されているのはシングルスピード(フロント 84T、リア 14T)で、ギア比は 6 。8 インチタイヤの周長は 64.5 cm だそうなので、ひと漕ぎ(ペダルを 1 回転)で約 3.8 m(387 cm)進むという計算。*5

ちなみに、26インチのママチャリで一番軽いギアでのひと漕ぎが、約 3.6 m ということらしいので*6 、ママチャリ程度の走行能力はあるということ。実際に、私ごときでも街でママチャリを抜くことは普通。件の自転車友達は、路面が平坦であれば時速 30 km 程度の巡行速度で 4 km 走れると豪語。 

また、単にスピードが出るというだけでなく、所謂ロングライドな距離を走ることや、ヒルクライムも出来るらしい。「らしい」というのは、私自身は 1 回のライドで 10km 以上はさすがに走っていないから。ネット上には、100 km 以上の長距離を 1 回のライドで走る猛者を簡単に検索で探せるし *7、自転車ショップでは、手稲山 *8ヒルクライムをした強者の話も聞いた。

 

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カスタム化

独特の車体を構成するフレーム、ホイール、ハンドル、ヘッドチューブ、ギア、チェーン以外は、汎用的な部品が使用されており、交換してカスタム化(グレードアップ)可能に。

率直に言えば、部品によっては即交換した方がいいものもある。それはカスタム化の過程でお伝えすることとして。

 

なぜ、CarryME?

ある日、仕事の都合でど田舎から政令指定都市の都会に引っ越した、高級チタン小径車やロードバイクを複数台所有する自転車友達曰く、 

 満員電車はもう嫌、でも、職場まで 4 キロ歩くのは、夏になるときつい。とはいえ、ジテツウすると外駐車になるから、そんなこと盗難が怖くて無理。 

ならば、職場に持ち込んで収納して許されるサイズならいいのよね、と、あまり深く考えずに、反射的に返答。 

じゃあ、CarryMEなんてどう?畳めばロッカーに仕舞えるよ。

これ以上自転車を増やしたくないと言っていたものの、キワモノ好きのブルジョア自転車乗り故にちょっと煽ったところ、ご自身でもいろいろ調べられ、ほどなくIYH!、ぽちっとお買い上げ。

すぐに初走行の感想が。

いやーん、なんてよく走るのでしょう!(感涙)

そして、カスタム化の様子が逐一報告され始めると....ってな訳で、当方も陥落。これに関しては、申し開きはいたしませぬ。(苦笑)

 

とはいえ、これではあまりにあまりなので、私の名誉の為に、CarryMEを買おうと思った正当な(?)購買動機も書いておく。

私が現在住んでいる札幌は、都心の自転車駐輪場がイマイチ整備されておらず *9、雪がなければ何処へ行くにも自転車の私にはちょっとツライ。「停められないなら、持って歩けばいい。輪行も織り交ぜれば、こんな小さな車体でも、何処へでも行けそう」 

というわけで、程なくして私も、CarryMEをお迎えしたのでございました。

 

ちなみに、件の自転車友達は、職場のあまり人が利用しない部屋の片隅にひっそりと置かせてもらっているとのこと。CarryMEは、そのポータビリティが一番の訴求ポイントなのかも。

 

 もちろん、このまま乗るわけがなく(苦笑)、カスタム化については次回以降で。

 

 

 

*1:歴代モデル

CARRY ME の歴史 | Green Cycle Station

*2:設計はPacific社の創業者でもあるジョージ・リン氏

キャリーミーの生みの親ージョージ・リン氏インタビュー | 折りたたみ自転車・ミニベロ専門店 GREEN CYCLE STATION

*3:OX Pocket

折りたたみ自転車 ポケット おりたたみ自転車 POCKET

http://oxgroup.co.jp/bicycle/pdf/c_pocket06vol1.pdf

*4:2015年モデル。エアタイヤ仕様

http://www.pacific-cycles-japan.com/carryme/carryme.html

*5:CarryMEのギア比が計算できる。

折りたたみ自転車のギヤ比

*6: 26インチ軽快車・フロント 32T、リア 14T

giantocr まとめwiki - ギヤ比

*7:南風自転車店ブログ

美瑛センチュリーライドにキャリーミーで出てみた。 : 南風そよぐ、、、

*8:標高 1024m 。関東のヤビツ峠並みのヒルクライマーのメッカ

*9:札幌市の名誉の為に言うと、ゼロではないが、場所がアレでむしろ盗難が怖い。